時計を見たくない楽しい時間
食事のときは片言の英語がメインの言葉で何とかコミニュケーションはとれるくらいでしたが、時々表現に困る伯父さんや伯母さんはドイツ語を使い、それを彼がこちらに伝え、少しのタイムラグはあるものの楽しく美味しい夕食が終わりました。
食後、近所のお宅に遊びにいこうという事になりました。多分、日本から来た人間という事で珍しかったのかもしれません。なんだか面白い気もして図々しくも皆で押し掛けてしまいました。
訪ねたお宅は叔父さんや彼が楽しんでいる趣味の仲間だそうです。行ってみると数人が集まっていて、私たちの来るのを待ち構えていたようでした。テーブルにはビールやウイスキーとおつまみのようなものがあって、テーブルに着くなり色々なものが目の前に差し出されます。でも、伯父さんの家でたっぷりパンとサラダを頂いた後だったのであまり沢山は頂けなかったのです。
しばらくして、私はずいぶんの時間をここのお宅で過ごしたような気がしました。一体今、何時なのだろう。ミュンヘンに着いたのが薄暗くなってから、伯父さんの家に行くまで意外に時間が掛かり、夕食とシャワーの時間があり、そしてこの家に移動して来たのです。きっと真夜中に近い時間になっているに違いないのです。でも時計を見る勇気がありません。ずっと続いてほしいこの時間が終わってしまいそうな気がして時計を見たくなかったのです。
少し経って、伯父さんの一番下の息子が大きなあくびをしたのです。それに気がついた伯父さんは時計を見るなり「こんな時間だ!」と言ったようでした。みんなそれぞれ時計を見ています。そして、その楽しい時間は終わりました。
伯父さんの家に戻ると眠たい子供たちはそれぞれの部屋に、私たち大人は再びビールを片手に楽しい時間を過ごしたのでした。
翌朝はお天気が良く、夜になって到着した伯父さんの家の周りの様子がやっと見れました。とても良い景色でした。いつまでもいたくなるような気持ちで一杯でしたが私たちの旅も続けなくてはいけません。再び彼の運転でミュンヘンへ車を走らせ次の目的地に向かいました。